国で作成する公正証書遺言なら安全か?
公正証書遺言・・・公証役場にて証人2人の立会いの下、 公証人の関与により作成するものです。 公正証書遺言の良い点は、
法律様式に違反することがまずない。
遺言書検認手続き不要
原本は国の機関である公証役場に保管される。
相続後、全国の公証役場にて検索ができる。
公正証書遺言の悪い点は、
作成時に費用がかかる。例:専門家報酬+実費+公証人に払う手数料※作成時に証人2人の手配が必要。
つまりは自筆証書遺言の悪い点をすべて解消してくれるのが、公正証書遺言なのですが、内容面は気にしないで本当に良いのでしょうか。公正証書遺言書作成の落とし穴①特定の親族の意向のみで公証人が作成してしまう
では公正証書遺言は国の審査によって作成されるから安心か? じつは、公正証書遺言でも無効になることはあるのです。しかも近年、公正証書遺言無効確認の訴えが増えています。 なぜ、自筆証書遺言の無効ではなく公正証書遺言の無効が多いかの理由ですが、公正証書遺言は,公証人の発言に頷くだけで遺言として完成してしまいます。遺言の中身は特定の親族が自分の都合の良いように起案できます。
公証役場に行くと、親族の立会いのものと公正証書遺言を作成しているケースが見受けられます。だから、自筆証書より公正証書の方が問題が生じやすいのです。異様な光景です。遺言書は本来ご自身の財産について最後にどうするか決定できるものです。親族の方がとやかく言うことは必要ないはずです。
公正証書遺言書作成の落とし穴②公証人は親身になって、すべての事情を把握ない
次に、お亡くなりになった方(被相続人)が、認知症や脳梗塞や肝性脳症などで、遺言を書いたその日に、遺言をする意思能力・遺言能力があったか否かについて疑いがある場合でも、公証人が公正証書遺言を作成したケースでさいばんになりました。
⇒名古屋高等裁判所平成14年12月11日判決 遺言能力を認めた原判決の認定に対し、遺言書作成当時に遺言者の痴呆は重度に近いものであって、遺言能力はなかったとした事例
その後に相続財産を承継する相続人のことを思ったら、専門家の関与(遺言執行者)やリーガルチェック (様式、税務、法務、相続後にかかる費用を考慮すること)をせずに作成してもよいのでしょうか。実際私が体験したケースでもご自身でお手続きをした遺言書で相続後、遺言無効の訴えが起きるケースがありました。 争いのない相続を望む当司法書士事務所に遺言書はご相談ください。