相続人の中に認知症、知的障害者の方がいる場合
相続人の中に認知症の方、知的障害者の方がいる場合は、法定後見人申立をしなければなりません。基本的な考え方として、買い物(売買契約)をするのも意思が必要です。財産に関する行為の一つとして、相続人が複数いる場合の遺産分割協議にも「財産をどうすべきかの意思」が必要なのです。
そして、本人の判断で意思表示できない認知症の方、知的障害者の方、精神障害者の方の相続財産を守るため、しっかりと裁判所で手続きをして、後見人とよばれる審査を受けた人に財産を管理させて本人の財産を守ってあげて下さいということです。
その後、 認知症の方、知的障害者の方の遺産分割をするために、代理人(後見人)が遺産分割協議に参加します。その際、選ばれた当事務所司法書士である後見人が代わりとなって遺産分割協議をすることも可能です。※司法書士は家庭裁判所の名簿に記載される成年後見の第一人者です。
ここで注意したいのが、成年後見人は本人(認知症患者/知的障害者)のために原則として相続財産の法定相続分を確保する必要があるということです。
不動産のようなすぐに換金し分けることができない財産の場合、不動産価格も考慮し法定相続分を考えなければなりません。ただし、単純に法定分割できるわけではない場合もあり状況説明を裁判所に行い、個々の事情を考慮した対応が求められます。
※司法書士は司法書士法施行規則31条に司法書士の業務として財産管理業務等についての規定が新設され司法書士による財産管理業務が明文で認められています。 財産管理業務を具体的に説明しますと、成年後見人、遺言執行者、相続財産管理人、不在者財産管理人、遺産分割協議書による財産管理業務、個人の方からの財産管理業務などがあります。
成年後見申立に必要な書類は煩雑
相続人全員の署名(記名)実印の捺印が必要
遺産分割協議は全員の同意がなければ無効です。その証拠としてご実印のご捺印、印鑑証明書の添付が必要です。これは、相続人の中に認知症の方、知的障害者の方がいる場合も同様ですので、代わりに協議を行い、ご実印の捺印をする成年後見人が必要なのです。家庭裁判所に申し立てる際に主に必要なものは、下記の通りになります。
①申立書
②収支報告書
③財産目録
④診断書
⑤親族関係説明図
⑥遺産分割協議書の写し
⑦戸籍
⑧住民票
⑨精神障害者手帳、身体障害者手帳、療育手帳、要介護度が分かる書面(介護保険認定書等)
⑩不動産全部事項証明書
⑪固定資産税評価証明書
⑫領収書の写し
⑬通帳のコピー
⑭本人について成年後見等の登記が既にされていないことの証明書
⑮確定申告書、給与明細書、年金額決定通知書
⑯各種税の納税通知書、国民健康保険料、介護保険料の決定通知書、家賃、医療費、施設費の領収書等
⑰本人が契約者、被保険者又は保険金受取人になっている保険についての保険証書
※状況により必要な書類は変わります。上記は参考資料にしてください。
煩雑な書類の作成、収集が必要になりますし、状況によっても作成する書類が変わります。
高度なテクニックにより、ご依頼者の方にメリットが出るように方策を練ることができます。当司法書士事務所では、認知症の度合いにより、状況を判断して認知症の方、知的障害者の方のために最善の方法をご提案できます。 事前に相続が起きる前の対応も致しますので、お手続きが面倒にならないうちにご相談を迅速にされてください。
→成年後見人の業務についてはこちらをご覧ください。
→成年後見人の活用方法についてはこちらの記事をご参照ください。
→任意後見制度についてはこちらの記事をご参照ください。
当司法書士事務所は公益社団法人リーガルサポート会員
当司法書士事務所は家庭裁判所名簿登載及びリーガルサポート会員
当司法書士事務所は、厳格な研修と報告義務が課される公益社団法人リーガルサポート(成年後見人の監督指導を行う司法書士の機関です)会員で、家庭裁判所の後見人名簿登載事務所でございます。
成年後見人申立選任手続きにおいて、当事務所が後見人になる場合、手続きの期間を短縮することが可能です。 また、LSシステムと呼ばれる成年後見人専用の報告システムにより財産を細かく管理しております。