成年後見人は具体的にどのような業務をおこなうのか?
まず、資産、収入、支出の状況を調査し、財産管理の計画をたてて、財産の目録を作成します。 その後は、家庭裁判所への収支状況の報告、診療、介護、福祉サービスを利用する際の契約や預貯金の管理、不動産を売却する際の契約関係の手続き、負債の支払いなど状況によって財産管理をすることになります。
①成年後見人は日常の世話も 行わなければならないのか??
成年後見人の仕事には、本人の生活や医療、介護などについて保護、支援をすることは含まれますが、日常生活(食事の補助や入浴の補助等)のお世話は含まれません。 後見人は、本人の財産管理や契約などの法律行為に関するものに限定されております。
本人のお世話に必要なヘルパーさんや介護施設との契約をする仕事です。当然ながら、本人の財産保護や身上保護をする必要から、本人の生活状況や健康状態を把握しておくのも役割に含まれます。
②被後見人のための支出には どのようなものが含まれるか?
被後見人のための支出にはどのようなものが含まれるか? 本人のために支払った支出は、原則として本人の財産から差し引きます。
しかし、その支出が本人にとって適切なものなのかは裁判所からチェックされます。 適正な支出にあたるものは、本人の医療費、施設費、税金関係、社会保険関係、財産の維持管理費、借金の返済、後見事務に必要な資料収集費などです。
特に親族が後見人となった場合には、財産管理があいまいになり、どこからどこまでが本人のために使われたものかわからなくなります。 しっかり支出の状況を判断して、本人のために使った領収書を区別する必要があります。
③財産を管理するのは本人の口座? それとも後見人の口座?
法律上はどちらでも構いませんが、なるべく本人の口座で管理するようにしてください。そのほうが、後見人以外の親族の方の理解も得られやすいですし、財産が混同することもないです。
家賃収入がある場合等収入がある場合の、被後見人の財産管理 本人の年金や生活費のための口座、家賃収入のための口座等複数の口座をお持ちの方が、認知症等精神障害になってしまった場合、できるだけお口座は一つにまとめてください。
家賃の場合、管理業者の手数料が引かれている可能性があるので、家賃がいくらで、手数料がいくらひかれているかの明細表をつけておいたほうがよいでしょう。
また、複数の預金口座を一つにまとめたいが、ファイナンスリース会社名義で引き落とされているものがある、またクレジットカードで引き落とされている。
上記のような定期的に一定額が引き落としされている場合は、その根拠となる契約書を探し、契約内容がどのようなものか確かめる必要があります。そして、不要な契約は解除するようにしてください。 必要なものは引き落とし口座変更届を出しましょう。