相続税金生命保険について

FP司法書士の安津畑です。生命保険金シリーズのお話が続いております!

前回からの相続生命保険の関連記事で

「相続の生命保険金について知っておかなければいけない種類!!」

およびに「相続で疑問!生命保険金は相続財産になるの?」

に引き続き生命保険金税金についてまとめの説明をします。

相続税金生命保険について

生命保険金にかかる税金の種類は民法や特別法の法律とはことなり、税法によって決まりますのでこれも税金かかるの!?といったことが少なくありません。

そして、生命保険契約の内容や受取人をどのように指定しているのかによって、かかる税金の法律構成も異なります。

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以下の図にまとめてみました。

パターン 契約者 被保険者 受取人 税金の種類は?
1 亡くなった者(被相続人) 亡くなった者(被相続人) 配偶者 相続税(保険金非課税枠あり)
2 配偶者 亡くなった者(被相続人) 相続人以外の者 相続税(保険金非課税枠なし)
3 配偶者 亡くなった者(被相続人) 相続人 贈与税
4 配偶者 亡くなった者(被相続人) 配偶者 所得税(一時所得)
5 亡くなった者(被相続人) 亡くなった者(被相続人) 亡くなった者(被相続人) 相続税(保険金非課税枠あり)
6 亡くなった者(被相続人) 配偶者や相続人 亡くなった者(被相続人) 相続税(解約返戻金の評価額・保険金ではない)
7 亡くなった者(被相続人) 配偶者や相続人 配偶者や相続人 相続税(解約返戻金の評価額・保険金ではない)

相続税の対象となる死亡保険金の場合(ケース①②⑤)

契約者と被保険者が同一人の場合の死亡保険金を、被保険者の相続人が受け取った場合は、相続税の課税対象となります。死亡保険金は相続財産ではないですが、相続税法の計算上みなし相続財産として課税されます(パターン①)。

相続税についてはこちらで控除額もご確認ください。

また、死亡保険金を被保険者の相続人以外の者が受け取った場合は、遺贈によってもらったものとみなされ、相続税の課税対象となりますが、この場合には非課税はありません。死亡保険金の受取人は相続人であることが税法上有利といえます(パターン②)。

保険金の非課税枠とは?

ただし、みなし相続財産に相続税を掛け過ぎて経済的リスクを高めてしまってはいけませんので、法定相続人が受け取る場合には「500万円×法定相続人数」を控除できます。

受取金額がこの非課税限度を超える場合のみ、その超過額が他の財産と合算されて相続税の対象となります。

非課税枠について相続放棄したものがいる場合の生命保険金の相続税の取り扱いについてはこちらに記載してあります。

生命保険金で相続財産になりえるお子様がおらず亡くなった場合に多いのがパターン⑤ですがこの場合も相続税の課税対象となります(パターン⑤)。

契約者、被保険者、受取人が違う場合の死亡保険金は、贈与税の課税(ケース③)

契約者と被保険者が異なり、契約者以外の人が死亡保険金を受け取った場合は、贈与税の課税対象となります。

例えばAさんが保険契約を結び、被保険者をBとして、Cが受け取るような場合です。実質、AからCへの財産の贈与とみることができるからです。

暦年課税制度の場合は、1月1日から12月31日までに受け取った死亡保険金額-110万円(基礎控除)=課税財産になります。

贈与税の特例等の説明はこちらの記事もご参照ください。

契約者と受取人が同じ場合の死亡保険金は、一時所得として所得税の課税(ケース④)

契約者と受取人が同じ場合の死亡保険金は、一時所得として所得税の課税対象となります。

例えばAが保険契約を締結し、Bが被保険者で、Aが受取人の場合、実質Aの掛け金(財産)がAに増減して戻ってくる形になるからです。

死亡保険金受取額から支払った保険料の差額が50万円以内の場合は、非課税となります。

50万円を超える場合は、一時所得の計算は、受取保険金-払込保険料-50万円×1/2=一時所得保険金としていますので、特別控除(50万円)の適用があり、さらにその金額の2分の1が非課税になるなど、税法上優遇されていますので多額の財産がある場合には相続税対策に使うこともあります。

例えば、相続税の最高税率は50%ですので、親が亡くなって2億円の生命保険を受け取っても、最終的に手元に残るのが1億円程というケースもあります。

これを契約者=受取人の一時所得とし、受取保険金の1/2以下が所得税の課税対象となるため、実質的には受取保険金に対して、25%以下の税率となります。

契約者が亡くなった場合には解約返戻金が相続財産になるケース⑥⑦

保険契約者の地位は解約返戻金で評価されます。その他解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算されます。

また、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には、その金額を引いた金額により解約返戻金の価額を評価することとなります。

解約返戻金相当額がわからないときは、契約先である生命保険会社などに照会しましょう。

※掛け捨てで解約返戻金のないものはもちろん評価しません。

年払いにした場合の保険金と税金の関係

死亡保険金や満期保険金を年金での受け取りに変更した場合、申出の時期により、年金の原資となる保険金について、被保険者の死亡や満期の到来など受取事由が発生したときに毎年受け取る年金は雑所得として所得住民税の対象になります。下記の区分に分けられます。

受取人 区分 年金払いの申し出時期 保険金受取事由の発生時に課税されるか否か 年金に課税される税金の種類
契約者 死亡保険金 被保険者の死亡日前に申出 なし 雑所得(所得税・住民税)
満期保険金 被保険者の死亡日後に申出 保険金に一時所得課税
契約者以外 死亡保険金 被保険者の死亡日前に契約者より申し出があり、死亡日後に受取人より変更の申し出がないこと 年金の権利の価額に相続税または贈与税
被保険者の死亡日後に申出 保険金に相続税または贈与税

保険金、給付金と税金

身体の傷害又は疾病を原因として受ける給付金は非課税となります。個人が生命保険から受け取った入院給付金は金額にかかわらず非課税です。身体の傷害又は疾病を原因として受ける給付金の具体例は、下記のものがあります。

主な非課税となる給付金・保険金

医療保険 入院給付金、手術給付金、通院給付金、疾病(災害)療養給付金、障害保険金(給付金)、特定損傷給付金
がん保険 がん診断給付金 ・特定疾病(三大疾病)保険金 ・先進医療給付金 ・高度障害保険金(給付金)など
生前給付保険金・介護保険 リビング・ニーズ特約保険金 ・介護保険金(一時金・年金) など

※非課税で受け取った給付金・保険金が相続財産として引き継がれる場合は、もちろん相続税の課税対象となります。

医療保険の受取金と所得税の医療費控除について

医療保険を受け取るということは、医療費もかかっているわけです。この「医療費」は所得控除の1つです。控除を受ける場合は所得税の確定申告をする必要があります。所得控除を受けることによって、所得税・住民税が下がりますのでもれなく活用したいです。

医療費については、所得税納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であることおよびその年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であることを満たしている必要があります。

?①実際に支払った医療費の合計額-②保険金の受取金額-③10万円=医療費控除額(最高200万円)でだします。

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①実際に支払った医療費の合計額

医療費控除を書いた確定申告書を所轄税務署長に提出しますので、医療費の支出を証明する領収書などについては、確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示します。また、給与所得のある方は、このほかに給与所得の源泉徴収票(原本)も添付します。

②保険金などで補てんされる金額

1.生命保険契約や損害保険契約に基づき医療費の補てんを目的として支払を受ける給付金

(医療保険金や入院費給付金、傷害費用保険金など)

2.社会保険や共済に関する法律やその他の法令の規定に基づき、医療費の支払の事由を給付原因として支給を受ける給付金

(例えば健康保険法の規定により支給を受ける療養費や出産育児一時金、家族出産育児一時金、家族療養費、高額療養費など)

3.医療費の補てんを目的として支払を受ける損害賠償

4.任意の互助組織から医療費の補てんを目的として支払を受ける給付金

保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きできませんので保険給付金が多い場合は医療費控除が使えなくなります。

③10万円

その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額で計算します。簡単に言えば、200円以下の収入のひとは、10万円以下になります。

いかがでしたでしょうか。生命保険金の税金分野の説明を終わらせて頂きます!平日の決まった時間貯金金融資産は16時から17時まで、なので仕事を休むことになる方も多い相続手続き。今年も銀行とのやりとり業務が多かったです。

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